日記 くやしい

朝、525分頃に目覚めてまだ青い部屋を見た後、めずらしく目覚まし時計に耳を突き抜かれなかったことと、かゆいところの睡眠から勝手に脱したことのうれしさにお久しぶりして茶をいれる。黄色いコップに、黄色く煮出るティをいれるとちょっと色が損した気分になる。まだまだ座れなさそうな椅子たちを紙に見ているうちに明るくなってお先です!落として、机と向き合ってるうちに最近ご無沙汰しない頭の中の方の重量が大きなってきてからだが負けてきたので、とうとう私は得つつある、やってくる前に回復の舞をしてしまうこと。ねむる。

 

f:id:satohi03:20190225104359j:image

 

朝があったのに昼に飛んだので不機嫌になりそうだったけれど、ポモドーロソースがたすけてくれた。トマトソースとなにがちゃうねんと調べたら「基本のトマトソース」と出てきたので顔がシュッとした。半意識でつくってしまった半熟卵が案の定生のままだったが、新婚旅行土産のオリーブを今日まで食べずにいて今日がそのような日だったのでプラス露光した。わくわくでつくっているうちに落ち着いてきて、いつも早・遅どっちかになってしまう珈琲もタイミングが合って、ごいっしょに、がつがつ食べずにゆっくりながら食べた。

 

まだ降りていないバス停があったのでバスに乗ろうと外へ出れば晴れており、寒くなく、青く、バス停には誰もいなかった。風。何回もおつりが出るかと聞いてしまう。バス代をつくる習慣はばあちゃんにはある。奥へ行こうとして、運転手の真後ろの腰高い席しかないことが分かり一歩戻って高い位置へ。小学校の時はここが高くて好きだったし、イギリスではその逆側の席が一番見晴らしが言いと言われたが、三半規管が応えた。山吹中学校の前でやたらと降りるので便乗して後ろの席に移動した。

この逆の線の新宿西口行きには席を譲りたくなる人が多くて座るときも立つときも振りがいるがこちらはそうでもなくてよかった。日曜だからかもしれんと言い、ほぼそう。

後ろに座ったのがおばあさんらしき声(B)と30代男性(T)のような声で、Tが明らかにBに合わせる口調だったから聞くことにした。「これは有名なおかねもちの女子大だよ」「あちらはかしこい女子大」「昔こそ、嫁入り修行とかでしょ」「今も、家政学科とかが」「御茶ノ水は女子の東大」・・・「東京も新しくなってしまってわからんわ」「いいものが違う。お金があってもあっちではいいものが食べられない」「千疋屋のフルーツを食べるようになってからね、いいことは、コンビニとかのスイーツがあるでしょ、それを見てもね、あまいだけでしょ、ほしくなくなってね」「糖質が一番太るからね」「脂質は太らないから、肉はどれだけ食べても太らないし、米は一番カロリーが低い」「お酒と甘いものを食べないのが一番痩せる」・・・「あらここでみんな降りるのね」。前から後ろからだらり来る人々のどうでもいい隙間に速く入り込みすぎて目白駅

 

f:id:satohi03:20190225104531j:image

 

場所として懐かしいところは、こうやって記憶を混ぜていくのかも。好きだったナチュラルローソンに行く前に、昔迷い込んだオレンジ色のばばあさまが立ってたジュエリーショップに寄ってプレゼントを見ようと角を曲がろうとしたら、母と男の子、母と男の子が分裂するところで、「仲良くなったばっかりの時はいつもこうなのよ」と先方は私の前に、後方はバス停に留まり、わたしは中間で見ていたので宙に浮いているようになったけれど、先方も角を曲がり、するとすぐのマンションの前が突飛なかんじでもなく工事していて、工事員の人の群れが急に現れたし、固まる前のコンクリートにはいつも目がいくから、そのマンションに先方が入っていったことに、スられたみたいな不要な驚きが降ってきた。ショップはシャッターが閉まってた。前はなかったと思うが、壁にナントカDUSTって書いてあってもうしばらくは充分だなと思った。

 

f:id:satohi03:20190225104734j:image

 

店が結構閉まっていた。山手線沿いを歩いていたら、少し下の線路に整備員の方が歩いていたからシャッターしようとフェンスに寄った時、すぐ下にもう一人いらっしゃって、そこに気づけなかったことは眠っていた人に次いで二回目の路上の屈辱だった。フィルムがそれでなくなって、いつもどおり、あと一枚とれるかどうかをちょっとだけ期待するネジ回しをしながら歩いて、全部映ってなかった場合にこの最後のだけは覚えていられるな、と思ったから覚えてるなと思った。丈詰めがすぐに出来上がった服を取りに行き、予想通りまんまともう一着買ってしまったけれど、くい込み上手な店員さんがいつもとは違う話と行動をとったからいつもより余計に大丈夫だった。

 

f:id:satohi03:20190225104700j:image

 

人との親密さにかかるすき間のある長い時間は、その時々が点であるが後ろにも前にも続いていることがその時にはわからなくていいけれど、すこしだけ予知できることの、まだ足が浮いているうちのことが次を支えていることにカラッとして、距離のえぐみがあられもない密度で満ちたヨソの気がかりがここで起こる。そのことをいろんなバージョンでおもしろいと今思える。「こんなポーズとかしちゃって・・もうちょっとかっこいい感じで撮ってみたら?って言いたくなって。・・髪なんかも巻いてきてて・・」合わせすぎるのはいつでも禁物。それでも近寄った時にしかすりおろされないと現時点では明確に言えるため引き続きはためいていく。

 

壁は壁、自動ドアは数えることをやめた後の無心の強さ、軽がるしく入ったら一気に肺まで占めるチョコバターもろもろのにおいのかたまり。ほとんど慣れられず体内は湯煎の溶け出しでコンビニ併設の薬局の薬待ちに座って並ぶ人たちに八つ当たりして帰ろうとした、五年越しの半地下の喫茶店に向くしかなかった。

 

一度できたからできる気になって少しずつ精度を高めていくことがたくさんはないけど、状況によってやり方を変えざるを得ないのは筋トレになるとはいえ、うるさすぎる女子のアフターヌーンティーと看板に合う少ない白髪を巻き糸みたくまとめてる黒エプロンのおばあさま、にきつめ小言を落とす茶色すぎる髪の息子?と、若さだけでなく黒エプロンが浮いている男子複数人、奥の部屋に大量にいるおじおばと、入った瞬間だけ見たごてごての渋色ケーキがそれぞれ全部勝手に動いて店内は雑踏、それに毎度全然違うかんじのでかすぎる音楽が流れるから水が来るまでが闘いだった。負けたとか言わずに全部吸い込むことにした。しばらく。音楽は音量だけでなく、歌う声もでかすぎるし、毎回オーケストラかよ曲が終わるたびにCD音源で調整されにくい拍手まで大音量でみなさん・・お耳の方は・・・ひっくり返って、カラオケ大会があった。全然声が出てないおばあさん、ヒューとか言うおじいさん、ちらと見たら完全に席を間違えた顔のおばさま、最後は茶髪の店員が聞き覚えのあるるんたった曲を歌い始めたからまるく収まった。母のエンドレス米米クラブにて聞いた気がするやつだし、この店で生まれた分の声をすこしでも落として出ていかなければ・・・「シャンソンお好きなんですか、オリジナルなんです」。階段は石造りでなだらかに螺旋をしているので、ケーキの匂いは中腹に留まっていた。

 

f:id:satohi03:20190225104929j:image

 

帰りもまだ乗ったことのないバスで行こうと思っていたが、あたたかかったので胸すくむ雑司が谷~坂と神田川の魔界を越えて~早稲田への道をまた歩いた。

 

その瞬間から懐かしくなりそうと思うことはあるが、どれを思い出せるかはわからないけど場所はあんまりなくならない、と舐めきっているから包まれるように細部を見落としていることになりかける。しかし、ひらけていく真後ろから懐かしがついてくることの方がゼロで、むしろ安易に繰り返して過剰になりすぎることの方が親密とは見間違えそうでちがうものだとしたら。親密は片側からでは成立しない。形成できず崖スレで擦り寄るしかない。

 

f:id:satohi03:20190225105128j:image

 

それはどっちかというとあかるく、かろやかなことだとおもう。